無水鍋の欠点は、重いことと値段が高いことです。
その他よく言われる欠点には、使い勝手があります。
(焦げる、取っ手が熱いのでやけどする、蓋が開かない、保存に向かない)
しかし調べてみると、鉄の無水鍋からアルミの無水鍋までごちゃ混ぜで、よくわかりません…。
この記事では、素材別に調べた結果から、無水鍋の欠点やどれがいいかなどをまとめました。
購入を検討中なら、欠点を踏まえた上で、優先順位を考えて選ぶとよいでしょう。
例えば、重いのが苦手な私の場合はステンレス製を選びます。
もちろん普通の鍋として使えるので、一生ものとしてコレ!というものが見つかるといいですね。
無水鍋(無加水鍋、無水調理鍋)選びの参考になればうれしいです。
無水鍋の欠点は?
一般的に無水鍋の欠点と言われているのは、
- 鍋が重い
- 値段が高い
- 使い勝手が悪い
- 使い方が難しい
- 焦げる
- 取っ手が熱いのでやけどする(蓋が開かないこともある)
- 料理の保存に向かない
- お手入れに気を使う
です。
高い、以外の欠点は、欠点というより鍋の素材による違いや、今までと調理法が違うことが原因でしょう。
重さについても、たしかに普通の鍋より重いですが、アルミやステンレスならそんなに重く感じないでしょう。
なので今回は、次の無水鍋について調べたデメリットや注意点をまとめています。
- 鉄製…ストウブ、ル・クルーゼ
- ステンレス製…フィスラー、ビタクラフト
- アルミ製…HALムスイ、cotta、アイリスオーヤマ
鉄製(鉄鋳物)
ステンレス製
アルミ製(フッ素やセラミック加工も含む)
ル・クルーゼ鍋は、無水鍋ではないという人もいますが、含めてご紹介します。
無水鍋は重い
無水鍋の欠点に、その重さがあります。
無水鍋といえば、ストウブや、ル・クルーゼをイメージしませんか?
これらは鋳物ホーロー(鉄の鍋)のため、通常の鍋より重く感じると思います。
厚みもありますしね。
鉄鋳物の鍋は、直径20cmで3kg以上あります。
料理中はほとんどお鍋を動かさないので、重さが気にならないでしょう。
でも、洗ったり片付けたりする時には気になるはずです。
お店で実際に持ってみて、重量を確認しておきましょう。
自宅で使っている鍋の重さを量り、無水鍋のカタログと比べてもいいですね。
(後半で、重さを比較しているのでよかったら参考にしてください)
軽い無水鍋もある
重いイメージの無水鍋ですが、軽い素材で作られたものもあります。
ステンレス製、アルミニウム製、アルミにフッ素加工(やセラミック加工)などがありますよ!
厚みがあるので、普段使っている鍋よりは重いかもしれませんが、鉄の鍋と比べると半分以下の重さです。
重いのが気になる人は、これらの鍋から選ぶと良いでしょう。
私の場合、お鍋を買う1番の条件は重さです。
…重いのがとにかく苦手なのです。
わが家には鉄瓶(たぶん南部鉄器)があります。
お土産で、ずいぶん前に父が購入したものです。
毎朝お湯を沸かすのに使っていましたが、母は50代くらいから、重くてポットにお湯を入れる時に手が痛いと話していました。
(残念ながら、鉄瓶は何年も登場していません…)
重い鍋を買うなら何年使えるか考えよう
ストウブやル・クルーゼ鍋は、重くて結局使わなかったという人も結構いると思います。
私もお店で、20cmの無水鍋を持ってみて「重っ!!」とびっくりでした。
20代なら、30年くらい使うと考えて、素敵な鉄の無水鍋もいいと思います。
しかし、40代をすぎると重い鍋は本当にストレスだと思います。
安くないので、無水鍋を買うならずっと使えそうか考えてみてくださいね。
(飾りになっても素敵ですけどね…)
無水鍋は高い
無水鍋は、普段使っている鍋と比べるとはるかに値段が高いです。
ストウブやル・クルーゼで、2万円~4万円くらいします。
フッ素やセラミックコーティングのリーズナブルな無水鍋でも5000円ほどです。
値段が高いのは欠点ですが、一生ものならコスパとしてはいいですね。
フッ素やセラミックコーティングのお鍋は、使っているうちにどうしても傷んでくると思うので、一生ものとは言えないと思います。
しかし、それ以外の無水鍋は、よほどのことがない限り使い続けることができるでしょう。
また、ほとんどの無水鍋は、取っ手が鍋と一体型になっているので壊れることがなさそうです。
もちろん、無水鍋も普通の鍋として使えるもの。
毎日の料理で使ったり、ずっと使い続けたい、と思える鍋が見つかれば、高くても買う価値はありますね。
無水鍋は使い勝手に慣れるまでは難しい?
次は、使いにくいという欠点について。
これは、使い慣れるまでは仕方ないのかなと思います。
無水鍋は、蓋をすると密閉状態になります。
そのため、水分をあまり加えなくてよい事や、火の通りが早いという特徴があります。
また、弱火で調理することが基本です。
普段とは調理法が違うので、使い勝手に慣れるまでは戸惑うかもしれません。
実際、使い方にクセがある、と感じる人もいます。
(普段から弱火調理をしている人なら、すぐに慣れそうですね)
無水鍋は、基本的には具材の水分のみで調理します。
そのため、いつも通りに調味料を入れると味が濃くなってしまいます。
最初のうちは、無水鍋料理のレシピに従って作る方が良いでしょう。
使い勝手に慣れてきたら、少しずつ様子を見ながら自分の味に調整していきましょう。
無水鍋は焦げる(焦げやすい)
こちらも使い勝手に関係しますが、無水調理では水をあまり使わないので、焦げる可能性があります。
いつものお鍋で想像すると、わかる気がしますね。
鍋の素材では、ステンレスやアルミ製が焦げやすいと言われています。
でも、扱い方や火加減次第で、焦げる確率を減らせますよ。
焼いたり炒めたりする時は、余熱がポイントです。
また、フッ素コーティングなど、焦げ付きの心配がない無水鍋を選ぶという方法もあります(コッタやアイリスオーヤマなど)。
無水鍋は火加減が大切
無水鍋は弱火で調理するのが基本です。
なのでどれくらいが弱火なのか、火加減を知っておくのが重要です。
また、焼いたり炒めたりする場合は、鍋が温まってから食材を入れる必要があります。
鍋の中に水滴を垂らして、水がコロコロと玉のように転がればOK。
余熱しないと、確実に焦げる(食材がくっついてしまう)ので気を付けましょう。
アウトドアでは強火になるので、どうしても焦げやすくなります。
無水鍋は取っ手が熱いのでやけどに気を付けて
続いての欠点は、熱くて素手でつかめないことです。
無水鍋の取っ手は、鍋と一体化していて、金属のものがほとんど。
蓋も金属製のものが多いです。
そのため、いつもの癖で素手でつかむと、やけどしてしまいます。
必ず鍋つかみを用意しておきましょう。
鍋つかみを使うのが面倒な人にとっては、取っ手が熱いことは欠点になりますね。
たしかにめんどうです。
それに、プラスチックの柄に慣れていると、ついうっかり触ってしまいますよね。
ちなみに、私は鍋つかみに軍手(2枚重ね)を愛用しています。
軍手を二重にしてはめて使う方が、5本指で手にフィットするので、鍋つかみの不安定さがなく使い勝手がかなりいいですよ。
無水鍋は蓋が開かないこともある
無水鍋は蓋と本体の間に蒸気が入り、水滴で膜をはることで密閉状態になります。
ウォーターシールと呼ばれています。
この密閉状態のまま鍋の温度が下がると、中が真空になり蓋が開かなくなってしまいます。
蓋が開かない時は、弱火で加熱すると開きますよ。
しかし、蒸気や蓋の熱さでやけどしてしまう危険もあるので気をつけてくださいね。
無水鍋は料理の保存には向かない
無水鍋の欠点として、料理の保存に向かない、と言われています。
食べ物の塩分や酸で、鍋がサビてしまうことがあるからです。
しかし、そもそも鍋は料理を保存するものではないので、これは欠点とは言えないでしょう。
また、無水鍋に限らず、鍋全般に言えることでもあります。
もちろん、すぐにサビてしまうわけではなく、数時間は置いておいても大丈夫です。
食卓に鍋ごと出して料理を楽しんだ後は、容器に移して保存するようにしましょう。
無水鍋はお手入れがめんどくさいと感じるかも
また、お手入れが面倒だと言われますが、無水鍋だからではありません。
鉄鋳物ホーロー製の鍋で言われていることです(ストウブやル・クルーゼなど)。
これらの鍋は、使い始めだけでなく、定期的にシーズニング(鍋を油でコーティングすること)が必要です。
また、ホーロー加工のため、サビに強いのですが衝撃に弱いです。
そして急な温度変化で割れる可能性があります。
取扱いには注意しましょう。
※ホーロー(エナメル)は、金属素材の表面にガラスを焼き付けたものです
以上、無水鍋の欠点と言われているものや、個人的に欠点と思うことをご紹介しました。
無水鍋(無加水鍋・無水調理鍋)ではなく、普段使っている鍋でも、水をほとんど入れずに弱火調理はできます。
わが家でも、普通の鍋でよく、弱火調理(蒸し煮)をします。
今回、無水鍋の欠点を調べていて感じたことは、「無水鍋」という特別な鍋があるというより、厚みがあって性能のいい鍋(=高い鍋)だから、おいしく調理ができるのかな、ということです。
実際、「無水鍋」ではなく、普通に「両手鍋」として売っているものが多いですしね。
無水鍋はどれがいい?
無水鍋はどれがいいかというと、自分が何を優先するかでしょう。
重さ、値段、無水鍋としての性能、お手入れのしやすさ。
大きさは、1人用なら14~16cm、2~4人なら18~22cmあたりです。
また、蓋をフライパンのように使えるのがいいのか、蓋もオーブンに入れたいか、など。
IHは、使えるタイプが多いですが、確認を忘れずに。
私の個人的な選び方になりますが、無水調理としての性能で選ぶならきっと、ストウブやル・クルーゼがいいのでしょうね。
たしかに素敵ですが、重い鍋は使わない自信があるので、私なら候補から外します。
実際、そこまで性能の違いに気づくかどうかも怪しいです…。
ストウブと、他の無水鍋で作って食べ比べたらわかるかもしれませんが、2つは買わないので、差がわからない気がします…。
cotta(コッタ)の無水調理鍋
実は数年前、軽さ(と一応見た目)で、cottaの無水調理鍋(20cm)を購入しました。
cottaは、主にお菓子やパン作り系のお店です。
ちょうど、セールだったこともあり。
コッタの無水鍋は、アルミ製(フッ素コーティング)です。軽いです。
量ってみると1.34kg。
同じ径のストウブは3.6kgです。
蓋もグリルパンとして火にかけて使えます。
調理用というより、パンを焼く時の乾燥防止に、蓋のようにかぶせて使うために買いました。
↓ こんな感じ
そのため、まだ料理に使ったことがありません。
フッ素加工なので、一生ものではないでしょう。むしろ消耗品?
(弱火なので傷みにくいと思いますが、使う頻度や使い方によっては、あまり持たないかもしれません)
ビタクラフト(ステンレス 全面5層構造)
料理用に使うことを考えたら、ステンレス製のビタクラフトがいいかなと考えています。
底だけでなく、全面が5層構造になっています。
ステンレスは、ギラギラっとして質感が少し苦手なので、悩んで買えなかったということもありますが、私が買うならビタクラフトです。
お手入れも楽ですしね。
無水鍋の重さを比較!
ご参考までに、代表的な無水鍋の重さを、20cmの無水鍋で比較しました。
鉄鋳物の鍋は3kg以上、それ以外は1.6kg以下。
ということで、ステンレスやアルミ製の鍋の重さは、鉄鋳物の半分以下でした。
詳細は、お店や通販サイトでご覧くださいね。
口コミも参考になると思います。
値段はネットショップによって幅がありました。
おおよその目安にしてください。
cottaとアイリスオーヤマは、他の無水鍋とは少し雰囲気が違うかもしれません。
鉄鋳物ホーローの無水鍋
まずは鉄鋳物(ホーロー加工)の無水鍋です。
ストウブ | ル・クルーゼ | |
商品名 | ラウンド ココット | ココット・ロンド |
素材 | 鉄 ホーロー加工 | 鉄 ホーロー加工 |
容量 | 2.2L | 2.4L |
重さ | 3.6kg | 3.1kg |
価格 | 19000~28000円 | 19000~33000円 |
ステンレスの無水鍋
次は、ステンレス製の無水鍋です。
鋳物と比べると、ステンレスやアルミ製は軽くて扱いも楽ですね。
フィスラー | ビタクラフト | |
商品名 | ファミリーライン シチューポット | コロラド |
素材 | ステンレスとアルミ 底面3層構造 | ステンレスとアルミ 全面5層構造 |
容量 | 3.8L | 3.1L |
重さ | 1.38kg | 1.6kgくらい |
価格 | 8000~9000円 | 93000~15000円 |
アルミの無水鍋
最後に、アルミ製の無水鍋です。
重さはステンレスとほぼ同じくらいでした(1.3~1.6kg)。
ビジュアル的には、KING無水鍋が断トツで好みです!!
ただ、アルミ製の鍋って使って良いのかわからずで…。
cotta(コッタ)やアイリスの鍋は、同じアルミ製でもHALムスイの鍋とは別物です。
フッ素やセラミックコーティングなので、他の鍋に比べると寿命が短いでしょう。
ただし、弱火での調理なので、フッ素加工のフライパンに比べると持ちそうですね。
焦げないことと、リーズナブルな価格が魅力です。
HALムスイ | cotta | アイリスオーヤマ | |
商品名 | KING無水鍋 | 無水調理鍋 | 無加水鍋 |
素材 | アルミニウム合金 | アルミニウム合金 フッ素加工 | アルミニウム合金 セラミック加工 |
容量 | 2.4L | 2.55L | 2.3L |
重さ | 1.59kg | 1.34kg (量りました) | 1.35kg |
税込 価格 | 15615円 | 5554~ 5720円 | 4230~ 4980円 |
無水鍋のメリットデメリットを考えて選ぼう
茹でる、煮る、蒸す、炊く、揚げる、ケーキやパン作り…。
いろんな料理に使えるという無水鍋。
もちろん、普通の鍋としても使えます。
無水鍋の魅力(メリット)としては、
- 水を加えないことで素材の味を楽しめたり、煮物がほっくり仕上がる
- 食材の栄養や旨味を逃さないので、美味しいだけでなく健康的
- 弱火で調理したり短時間で火が通ることから、光熱費の節約になる
- 普通の鍋より厚く丈夫。壊れにくく長く使える(商品にもよります)
- オーブンで使える
などがありますね。
ただし調味料や火加減の調整など、実際に使う時には慣れが必要です。
無水鍋といえば鉄(鋳物ホーロー)のイメージでしたが、ステンレスやアルミ、フッ素コーティングなどと種類も豊富。
そのため、材質によって欠点も異なります。
どれがいいかは、今回ご紹介した欠点も参考に、自分にとって優先順位を決めて選ぶのが良いでしょう。